SESはIT業界の働き方の一つであり、企業から派遣のような形でプロジェクトにアサインしてもらい、客先に常駐して働きます。
SESは、未経験でも就職しやすいことや責任が軽いなどさまざまなメリットがあります。
しかし、SESに対して「知識やスキルが身につかない」「給与・年収が低い」などの理由からやめとけといわれることが多いです。
新卒でSES企業へ就職しようと考える方は、SES企業がおすすめなのかどうか気になるでしょう。
本記事では、SES企業がやめとけといわれる理由やメリット、優良SES企業を見極めるポイントについて詳しく解説します。
新卒でSESはやめとけといわれる理由
結論からいうと、新卒からSES企業へ就職するのは個人的にはおすすめできません。
新卒でSES企業に就職するのがやめとけといわれる理由は、次のとおりです。
- 知識やスキルが身につかない
- ITに全く関係のない案件に参画させられる可能性がある
- 給与、年収が低い
- 人間関係や労働環境などの変化が激しい
それぞれ詳しくみていきましょう。
知識やスキルが身につかない
SESは、基本的に客先常駐という業務形態で業務に従事します。
クライアント先によっては、社内のセキュリティの観点から初級エンジニアのような誰でもできる雑務に近い仕事を任される可能性が高いです。
仮に、雑務ばかりのプロジェクトにアサインされてしまうと、自身の身につけたい知識やスキルがまったく身につきません。
エンジニアは現場で経験や実績を積み、キャリアアップすることが一般的であるため、知識やスキルが身につかない現場に配属されると時間を無駄にしてしまうでしょう。
ITに全く関係のない案件に参画させられる可能性がある
SESは、勤務先の企業によってはITに全く関係のない案件に参画させられる可能性があります。
たとえば、筆者の場合2社目でSES企業で働いた経験があるのですが、筆者がアサインされた案件はコールセンターの仕事です。
コールセンターではプログラマーのようにプログラミングをすることがなければ、簡単なテスト案件に携われるわけでもなく、コロナウイルスのワクチンのサポート窓口を担当しました。
なぜ、知らない人のクレーム対応しなければいけないのとか考えてましたね・・・笑
もちろん、IT技術者としての知識やスキルが身につくはずもなく、半年間時間を無駄にしてしまいます。
新卒からSESをおすすめできない理由としては、未経験や経験が浅いエンジニアの場合、紹介される案件が自身が求めるような案件でないケースがほとんどであるためです。
そのため、新卒からエンジニアとしての経験や実績を積みたい場合は、Sier企業か自社開発の企業をおこなう企業への就職を検討しましょう。
給与・年収が低い
新卒からSES企業へ就職するのはやめとけといわれる理由として、給与や年収が低いことが挙げられます。
IT業課は多重構造が一般的であり、一つのプロジェクトに対して元請け企業から2次請け、3次請け、4次請けのように下請け企業へ委託する仕組みです。
当然ではありますが、下の層であるほど利益が少なくなり、SESは下請けになる場合が多く他のIT企業と比較すると給与や年収が低い傾向にあります。
また、SESは労働時間に対して報酬が支払われるため、品質の高い成果物を納品してもインセンティブが発生しない点も給与が低くなる理由の一つです。
人間関係や労働環境などの変化が激しい
SESは、プロジェクトにより毎回新しい人間関係や労働環境に慣れる必要があります。
そのため、自社開発や受託開発をおこなう企業と比較して、精神面を含むさまざまな面で負担がかかる点がやめとけといわれる理由の一つです。
しかし、コミュニケーション能力に長けており、適応能力の高い方であればSESの働き方は、人脈を広げられるメリットがあります。
SES企業に就職するメリット
SES企業がやめとけといわれる理由について紹介しましたが、SES企業に就職するうえでのメリットもいくつか存在します。
SES企業に就職するメリットは、次のとおりです。
- 未経験でも就職できる
- 実績を積めば転職に活かせる
- 客先常駐による大手企業ならではの待遇が受けられる
- 責任が軽い
- 残業時間が少ない
それぞれ詳しくみていきましょう。
未経験でも就職できる
SES企業は、IT未経験や文系でも転職しやすいメリットがあります。
自社開発や受託開発をおこなう企業と比較すると、求められるスキルや競争率が低いことからSESへの就職ハードルは低いです。
そのため、未経験や文系の方でIT企業へ転職したいと考える場合は、SES企業は転職しやすいといえるでしょう。
実績を積めば転職に活かせる
IT業界は、未経験者を募集していることが多いですが、実際は経験や過去の実績を重視する場合が多いです。
そこで、SESではアサインされる案件によっては、エンジニアとしての経験を積むことができ、転職の際の書類選考の通過率が向上します。
また、面接の際のアピールポイントが増え、採用確率向上にもつながるでしょう。
SES企業は、就職がしやすいため、実績を積みたい方は優良なSES企業に就職すると実績をつむことができます。
客先常駐による大手企業ならではの待遇が受けられる
SES企業で客先常駐する企業は、大手企業である場合が多いです。
SES企業は常駐先の待遇が受けられることがあります!
SESでは、大手企業ならではの待遇が受けられることがあります。
たとえば、大手企業で提供される社食サービスが利用できたり、大型連休があったりなどです。
また残業を削減する考えの企業も多く、無駄な残業をする必要もありません。
そのため、大手企業ならではの待遇を受けられることは、SES企業に就職する大きなメリットといえるでしょう。
責任が軽い
SESで働くエンジニアの責任は軽いです。
SESで働くエンジニアの契約は、働いた時間に対してお金をもらう契約であるため、成果物の品質や成果に責任が伴いません。
業務に手を抜くのはよくありませんが、責任感が軽いと心身の負担も軽減され、働きやすいと感じるでしょう。
残業時間が少ない
SES企業で働くエンジニアは、他の企業と比較すると残業時間が少ないです。
SES企業では、指定の作業時間を決めた契約を締結するため、残業が発生するような過度な業務が生じることが基本的にありません。
勤務時間を超過すると、クライアントは超過金額を支払う必要があります!
人件費を削減するためにも、クライアント側で作業量を調節してもらえます。
残業時間が多いイメージのあるIT業界ですが、SES企業では基本的に残業が発生するケースが少ないため、安心できるでしょう。
新卒が優良SES企業を見極めるポイント
新卒でSES企業へ就職する場合は、次のポイントを意識して優良SES企業へ就職しましょう。
- 中堅エンジニアが全体の50%いる
- 元請け、2次請けのプロジェクトが取り扱われている
- エンジニア評価制度が整備されている
- SES以外の事業を展開している
- エンジニア経験者の採用が全体の半分程度
上記のポイント以外にも給与や賞与、福利厚生が充実しているかなどの観点からも企業を選びましょう。
新卒SESに関するよくある質問
SESに関するよくある質問に回答します。
- SESではどのような言語を身につけておくべきですか?
SESに就職する場合、次のような言語の学習がおすすめです。
- Java
- C言語
- PHP
- Python
とくに、近年はAIの発展が著しいため、個人的にはPythonの学習がおすすめです。
- 新卒でSESとして働くのは”あり”ですか?
結論としては、おすすめできません。
ただし、どうしても就職が決まらない場合は、優良SESへの就職がおすすめです。
自社開発やSier企業でも、未経験や文系出身を募集する企業は多くあるため、まずは他の業務形態の企業を検討するとよいです。
優良企業であればSESでも十分なスキルアップが可能
- SESは、知識やスキルが身につかないことやITに関係のない案件に参画させられる可能性がある
- SESには、未経験でも就職できる、責任が軽いなどのメリットもある
- 新卒からSESへ就職する場合は、優良SESを見極めなければならない
SES企業は、新卒から就職するのは、知識やスキルが身につかないことやITに関係のない案件に参画させられる可能性があるなどの理由からやめとけといわれます。
一方で、SESでは、未経験でも就職できることや責任が軽いなどの一部メリットも存在します。
新卒からSESへの就職をせざるを得ない場合は、本記事で紹介した優良SESのポイントを抑えて就職活動をおこないましょう。
コメント