「IT営業はいらない」「IT営業には将来性がない」などのような声をよく耳にすることがあります。
IT営業に興味はあるけど不安な人も多いでしょう。
本記事では、IT営業がなぜいらないと言われているのかその理由やIT営業の必要性について解説します。
IT営業とSier営業の違い
IT営業とは、ソフトウェアやWebサイト制作等のITサービスを提案・販売する職業のことです。
Sier営業とは、コンピューターシステムやITインフラ等の技術を活用したビジネスソリューションを提供・販売する職種のことです。
IT営業とSier営業の違いはほとんどなく、IT営業の種類の一つが、Sier営業です。
IT営業を目指しているのであれば、どの職種を志望するのか明確にしておくことをおすすめします。
IT営業がいらないと言われる理由
IT営業はいらないといわれている理由は、大きく分けて次の5つです。
- 顧客のほとんどが自身でIT商材を購入する
- 営業スタッフの最新情報把握不足
- AI発達が進み営業市場規模が縮小
- 2045年問題:シンギュラリティ
- 強い外資企業に市場を奪われる
それぞれ詳しく解説していきます。
顧客のほとんどが自身でIT商材を購入する
IT営業が扱う商材はその特質から、基本的に実物のない無形商材です。
そのため、実物を見る必要がなく顧客の多くは、インターネットで自身で商材を選び、購入します。
そうして、直接提案・販売する必要がなくなり、IT営業はいらないといわれることが多いです。
しかし、商材販売だけでなく、利用方法の説明やサービスを活用した課題解決の提案等も行っているため、法人向けのIT営業は必要とされています。
営業スタッフの最新情報把握不足
個人の能力の問題ですが、最新情報を把握できていないからいらないといわれることがあります。
このような事態になる理由の一つに、IT業界が「ドッグイヤーの業界」といわれる、変化の激しい業界だからと考えられます。
そのため、営業マンが、最新のトレンドを把握していない場合、顧客のニーズにこたえられるわけもなく、存在意義を失ってしまいます。
AI発達が進み営業市場規模が縮小
近年のAI技術の発達が著しく、マーケティングや広告によるIT商材の販売がAIによって最適化されるようになってきています。
そのため、顧客の要望を聞くだけ聞き、開発部門に丸投げするようなIT営業は、仕事がAIに奪われる可能性が大いにあります。
しかし、顧客の潜在的なニーズをくみ取る等の仕事はAIにはまだできず、人だからこそ生み出せる価値を提供できる人が重宝されるでしょう。
2045年問題:シンギュラリティ
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、1980年台からAI研究家の間で使用され始めた言葉であり、人間の脳と同レベルのAIが誕生する時点を表しています。
アメリカの数学者ヴァーナー・ヴィンジが、2045年におこると提唱したことで2045年問題といわれています。
しかし、この問題はIT営業に限った話ではないです。
強い外資系企業に市場を奪われる
IT業界は、GAFAをはじめとした外資系企業の勢いが、とどまることを知りません。
そのため、日系IT企業の市場が奪われる恐れもあり、IT営業には将来性がないといわれることが多いです。
しかし、日系IT企業も数多くあり、また外資系企業に転職することもできます。
転職する際には、企業の将来性はよく調べて判断しましょう。
IT営業は必要!今後なくなる可能性が低い理由
いらないといわれることが多くなってきたIT営業ですが、IT営業はまだまだ必要です。
なくなる可能性が低い理由は、大きく分けて次の5つです。
- AIにはできない人間の心のつながり
- 潜在ニーズへの訴求が可能
- アフターケア
- 業界専門用語を翻訳する人が必要
- IT業界は今後も市場規模が拡大する見通し
それぞれ詳しく解説していきます。
AIにはできない人間の心のつながり
優れた営業は販売する商材についての説明スキルに加え、「この人から買いたい!」と思わせる力を持っています。
真摯に顧客に向き合い、課題解決に向けて取り組む姿勢から、顧客の信頼を勝ち取り大きな成果を挙げているのです。
機械的なやり取りしかできないAIには、人間同士の心のつながりには勝てません。
潜在ニーズへの訴求が可能
潜在ニーズとは、顧客自身も気づいていない潜在的な欲求のことです。
顧客が気づいていないことに、AIは対応することはできません。
しかし、高いスキルを持つIT営業なら、顧客の話から潜在ニーズを引き出し、アプローチできます。
人ならでは価値を提供できるIT営業は、AIが発展しても活躍する可能性が高いです。
アフターケア
IT営業は、商材を売ってすぐ終わりではなく、販売後も丁寧なアフターケアが必要です。
利用方法の説明や課題解決のための活用方法、トラブル対応等、状況に応じて臨機応変にケアできるのは人の強みといえます。
丁寧なアフターケアは、新たなニーズの発見、商材の販売につながります。
業界専門用語を翻訳する人が必要
IT業界は、わかりにくい言葉が多いため、顧客企業は「翻訳してくれる人」の存在を求めています。
自身で調べたらわかるようなことかもしれませんが、聞いた方が早く、理解もしやすいです。
そのため、説明をしてくれるIT営業はまだまだ必要といえます。
IT業界は今後も市場規模が拡大する見通し
IT業界の市場は年々成長を続けています。
実際に総務省の「令和4年版 情報通信白書」によると、2017年から2023年度にかけて日本の民間ICT規模が右肩上がりで上昇を続けています。
そのため、これからもIT業界の商材を販売する営業職は将来性があり、まずなくならないでしょう。
出典:総務省「令和4年版 情報通信白書」
今後も必要とされるIT営業になるには
AIと人との違いや、IT業界の進化等により、今後もIT営業は必要な職業です。
では、そのIT営業で必要とされる人材になる方法については、大きく分けて次に示す4つです。
- 商品知識や営業経験を磨く
- 付加価値の向上
- マーケティングスキルを身に付ける
- Webを活用して営業する
それぞれ詳しく解説していきます。
商品知識や営業経験を磨く
IT営業で必要とされる人材になるためには、商材知識と営業経験をそれぞれ深めていくことは極めて重要です。
営業経験は豊富でも商材知識や最新トレンドを理解していないと、顧客のニーズに沿った最適な提案ができません。
それこそ、「AIでいい」という状態になってしまいます。
逆に、営業職でもエンジニアレベルの技術や知識があれば、顧客からの信頼は絶大です。
ITに関する知識・技術を積極的に身につけることをおすすめします。
付加価値の向上
さらにとびぬけた存在になるためには、知識や経験に加えプラスαの付加価値を身につける必要があります。
プログラミングスキルや英語等の新たなスキルの習得で、自身にしかできない価値を生みます。
自身の置かれている状況や扱っている商材、会社の状況等を鑑み、どのようなスキルが有利なのかを考えて習得することをおすすめします。
成果を挙げるために、自身の武器を見つけ磨きをかけることが攻略の糸口です。
マーケティングスキルを身に付ける
マーケティングはマーケターがすることで、営業には必要ないのでは、考えている人も多いと思います。
しかし、マーケティングスキルを習得・活用できると、新規客の開拓や商談前に顧客のニーズに沿った提案を準備できるメリットがあります。
他の同業者が身につけていないからこそ、差をつけることができ、必要とされる可能性が高く習得しておくことをおすすめします。
Webを活用して営業する
必要な人材になるために、Webを活用した営業もおすすめです。
IT営業でWebを活用していると、ITらしさがあり、説得力が上がります。
また、ITを売っているのだから、自身が最大限に活用できていることを証明できれば、説得力はさらに向上します。
IT営業のキャリアプラン
現代は、VUCAの時代と呼ばれる、予測困難な時代になっています。
この仕事に就けば一生安泰という仕事は、少ないです。
これは、IT営業に限った話ではありませんが、時代合わせて変化していくことが将来性の獲得のため重要になってきます。
次に示すのは、IT営業におすすめのキャリアプランです。
- 起業して経営者になる
- 転職してIT技術者になる
- マーケティングの仕事に就く
これらは、あくまで一例ですので、自身にあったキャリアプランを立てましょう。
IT営業のキャリアプランについて、それぞれ詳しく解説していきます。
起業して経営者になる
結論、営業力が身につけば、どの業界でも売れます。
どの営業でも人を相手にすることは変わらないため、営業力はどの業界にも必要とされています。
そして、営業は言い方を変えると、お金を持ってくる仕事なので、営業力があると、起業するために必要な能力の一つが備わっている状態になります。
「自由に生きていきたい」「成功者になりたい」と考えるならば、起業することも一つのプランになります。
転職してIT技術者になる
IT営業の経験を積んでいるととITスキルも勉強することになります。
そこで得たスキルを活用し、技術者に転向する人も多いです。
手に職が就くのは、現代にマッチした良いキャリアプランになります。
また、収入が安定するというメリットもあります。
別の記事で、システムエンジニアへの未経験から転職について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングの仕事に就く
マーケティングができると、ブログやSNS等を活用して収入を増やすことができます。
営業とマーケティングができると、収入を増やす手段が多くなり、人生の安定つながります。
もし興味があるなら、マーケティング職を目指すこともおすすめです。
IT営業におすすめの転職エージェント2つ
IT営業への転職を目指す際におすすめの転職エージェントを紹介します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界トップクラスの求人数を誇る転職エージェントです。
第二新卒歓迎の求人が数多く存在しており、20代前半の転職にもおすすめとなっています。
また、自身の強みが何かわからない、応募するべき求人についてわからない方にもキャリアアドバイザーが現在の転職市場を踏まえながら、ユーザーのスキルや経験に応じた求人を適切に提案してくれます。
自身では気づかない強み・ポテンシャルについて発見できるケースも多いため、転職先の幅を広げたい場合に活用してみるとよいでしょう。
\ 20代前半におすすめ! /
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、幅広い業種・職種の求人を取り扱う転職エージェントです。
とくに20代から30代を中心とする若い世代の転職支援を得意としているため、20代前半の方におすすめとなっています。
また、業界ごとにキャリアアドバイザーが在籍しており、専門知識の高いプロから志望する業界での的確なアドバイスを受けることが可能です。
公式サイトでは、転職にかかわるさまざまな転職ノウハウが紹介されており、職務経歴書の書き方や面接の仕方などをしっかり学ぶことができます。
\ 20代~30代におすすめ!/
IT営業に関するよくある質問
- IT営業はきつい?やりがいはある?
結論、昔と比べて職場環境が改善され、激務と呼ばれる時代ではなくなりました。
「きつい」というのは、他の業界でもいえることです。
きついという感情を乗り越えた先にやりがいは感じられます。
- ITの知識・スキルを高めたいのですが、何か良い方法はありますか?
知識を得るためには、実際に経験することがおすすめです。
どのようなスキルでもいえることですが、習得に近道などありません。
日々の積み重ねが重要になってきます。
IT営業は将来性があり、今後も必要とされる仕事
- IT営業の種類の一つが、Sier営業
- IT営業はAIの進歩により、人の強みを生かせるスキルが必要になる
- IT営業は将来性もあり、需要が高い
- 自身のキャリアプランを立てておくことが重要
IT業界の進歩やAIと人との違いから、IT営業には将来性があるといえます。
その将来性を確実のものにするためには、自身の成長は必要不可欠です。
今の自分に満足することなく、高みを目指し、IT営業として成功しましょう。
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