転職を何度も繰り返していると「人生が終わってしまうかも」と不安に感じる方は多いでしょう。
転職回数が多い場合、業界や職種によっては不利になる可能性があるほか、過去のキャリアに一貫性がないと転職が難しくなる可能性があります。
「転職回数が多い人の特徴が知りたい」「転職回数が多くても転職を成功させる方法が知りたい」と考える方も多いでしょう。
本記事では、転職回数の多い人が人生は終わってしまうのか、転職を繰り返す人の特徴や成功させるための方法を解説します。
転職回数が多いと人生終わり?
転職回数が多いと人生が終わるかについて解説します。
転職する業界や職種によって異なる
IT業界や医療・福祉業界、飲食業界など実力主義及び人手不足の業界では、転職回数が多くても不利になることはあまりありません。
筆者も20代前半のうちに転職を複数回経験していますが、IT業界ではとくに転職回数が多いからとの理由で落とされることはありませんでした。
医療・福祉業界の社内SEをしていますが、人の入れ替わりが激しいです(笑)
このような業界では、現状をより良くするために転職することが一般的であるため、許容されやすい傾向にあります。
キャリアに一貫性がない場合は不利になる
転職では、過去に経験したキャリアに一貫性がない場合は選考で不利となります。
たとえば、新卒で営業職に就き、2年目で転職してSE、3年目で介護士のように一貫性がないキャリアを築くと「転職できるならばどこでもいいのか」と企業に判断されやすいです。
ただし、一貫性がないキャリアについてスキルアップや自身のやりたいことが見つかったなど理由を説明できれば、問題なく転職できるため、キャリアの一貫性に不安のある方は理由を考えておきましょう。
短期離職のリスクがある
中途採用では人材を採用するために、数百万円単位の費用をかける企業も存在します。
そのため、転職回数が多いと「また、すぐにやめてしまうのでは」と企業に悪い印象を与えてしまい、コストを無駄にしないためにも敬遠されがちです。
転職活動では、なぜ現在の企業に入りたいのか自己分析や企業リサーチを徹底したうえで、相手に納得のいくような理由を伝える必要があるでしょう。
転職回数が多くても人生が終わりではない理由
結論からいうと、転職回数が多くても人生は終わりではありません。
転職回数が多くても人生が終わりではない理由は、次のとおりです。
- 転職回数 = 優秀な人材の可能性がある
- 転職回数を気にしない業界が多い
- 就業経験が豊富で貴重な存在であるため
- 転職を繰り返すと自身に最適な企業を見つけられる可能性が高まる
- 海外では転職回数の平均が10回を超える
それぞれ詳しく解説します。
転職回数 = 優秀な人材の可能性がある
優秀な方は、転職回数が多い傾向にあり、「年収を上げたい」「スキルアップがしたい」「将来独立するためのスキルを身に付けたい」など転職理由がポジティブである可能性が高いです。
転職回数が多いことを理由に選考で落としていると、企業は優秀な人材採用の機会を見逃してしまう可能性があるでしょう。
そのため、転職回数が多くても市場価値を高めたい方やキャリアアップしたい方のようにポジティブな理由であれば、転職活動で不利になりにくいといえます。
転職回数を気にしない業界が多い
近年は、転職する方が増加傾向にあり、企業としても転職回数を問題視することは少なくなりつつあります。
株式会社マイナビの調査によると、2022年の正社員転職率は7.6%で2016年以降もっとも高い水準であることが報告されています。
企業は、転職回数に着目するのではなく、転職を繰り返した結果「過去になにを学んできたのか」を重要視しているため、具体的に成し遂げたことなどを伝えれば、採用される可能性は高まるでしょう。
出典元:株式会社マイナビ「転職動向調査2023年版(2022年実績)」
就業経験が豊富で貴重な存在であるため
転職回数が多いほど就業経験が豊富であるため、さまざまな企業の働き方や独自の社風について理解している場合が多いです。
過去の経験から企業へ新しいノウハウや知識を確立させられる可能性があるため、転職回数の多い方は貴重な存在といえます。
近年では、社員の転職をポジティブに捉え、他の企業での経験を積んだうえでノウハウや知識などをブラッシュアップした状態で自社に戻ってくることを期待する企業も増加しています。
そのため、転職回数の多さが不利になることは少ないといえるでしょう。
転職を繰り返すと自身に最適な企業を見つけられる可能性が高まる
転職回数が多ければ、さまざまな企業での経験が得られるため、自身に最適な企業を探せる可能性が高まります。
ブラック企業の特徴が何となくわかるようになり、違和感のある会社を避け、自身に本当に向いている仕事もわかるでしょう。
また、営業職のように経歴を気にしないものや未経験募集にかかわらず、IT業界ではある程度の前提知識がなければならないなど各業界の事情についても詳しくなります。
筆者は転職を2回経験していますが、初めはブラック企業に遭遇し、現在は経験を踏まえホワイト企業への転職を実現しました。
海外では転職回数の平均が10回を超える
日本では現在、転職する方も珍しくなく増加傾向にあります。
そのなか、会社の人の中には転職に対してよいイメージをもたない方も存在するでしょう。
一方でBureau of Labor Statistics, US Dept. of Laborの調査によると、18歳から52歳までのアメリカでの転職回数の平均は12.3回です。
海外の方は、日本よりも転職に対するイメージが悪くなく、約3年に1回の頻度で転職を繰り返しています。
したがって、転職回数が多いことは海外にとっては当然のことであると覚えておきましょう。
ただし、質の悪い転職はNGです!
転職回数が多い人の特徴
転職回数が多い人の特徴は、次のとおりです。
- キャリアアップや年収アップの意志が強い
- 転職エージェントに頼りきった転職活動をおこなっている
- 自己分析が足りておらず自身の理想の働き方をイメージできていない
- 大企業にこだわりすぎている
それぞれ詳しく解説します。
キャリアアップや年収アップの意志が強い
転職回数が多い人の特徴として挙げられるのは、キャリアアップや年収アップの意志が強い方です。
IT業界やコンサル系の企業では、現状に満足できず年収をさらに上げたい、SEからプロジェクトマネージャーへキャリアアップしたいなどのように明確な目的がある場合は、転職回数を気にせずにする方も多いです。
企業としても上昇志向の強い方を欲しいと考えているため、現状を変えるために転職を考えている方は、とくに不利になることも少ないでしょう。
転職エージェントに頼りきった転職活動をおこなっている
転職活動において、転職エージェントは非常に心強い味方ではありますが、頼りきりの活動をしていると転職回数が多くなる傾向にあります。
たとえば、ヒアリングで自身の自己分析をおこない、転職エージェントが情報をもとに提示してきた企業をよく確認せずに入社する場合によく起こります。
転職の際は、自身がなぜ転職したいのかを明確にし、転職エージェントが提示した企業で実現可能であるかを見極める必要があるでしょう。
自己分析が足りておらず自身の理想の働き方をイメージできていない
転職エージェントの場合と同様に、自身で転職活動をおこなう場合も自身の目的が明確でなければ転職活動は失敗するでしょう。
自己分析が足りていなければ、内定先の企業で実際に働いた際に「思っていた会社と違う」などとギャップを感じてしまい不満を感じることが多いです。
その結果、不満が募ることで「転職しよう」と気持ちが強くなるため、転職回数が増え続けてしまいます。
大企業にこだわりすぎている
転職をするのであれば、大企業で働きたいと考える方は少なくないでしょう。
しかし、転職活動を大企業のみに絞るのは難易度が非常に高く、転職できる可能性は低いです。
まったく転職先が決まらずにいると、モチベーションが続かなくなり、自分は世間では必要とされていないと落ち込む原因になります。
落ち込んでいる最中に適当な会社へ転職してしまうと、ミスマッチにもつながり転職を繰り返してしまうかもしれません。
転職回数の多い人が転職を成功させる方法
転職回数の多い人が転職を成功させたい場合は、次の方法を試してみましょう。
- 前向きな退職理由を伝える
- 自己分析を徹底して企業とのミスマッチを防ぐ
- 転職回数を気にしない業界へ応募する
- 前職での経験や達成したことを伝える
- 転職エージェントを活用する
それぞれ詳しく解説します。
前向きな退職理由を伝える
転職活動の際、ネガティブな理由を面接官に伝えることは絶対にやめましょう。
「上司との関係がうまくいかなかった」「やりたいことができなかった」などと伝えてしまえば、企業に「忍耐力がないし、またすぐにやめるのでは」と印象を与えてしまいます。
人件費をかけて採用したのにもかかわらず、すぐに退職してしまえば企業からすると大きな損失となるため、可能な限り避けたいと考えているでしょう。
そのため、転職活動では相手に好印象を与えるために「スキルアップがしたい」「自身のやりたいことが御社でできる」などとポジティブな理由を伝えましょう。
自己分析を徹底して企業とのミスマッチを防ぐ
自己分析が適切にできていない場合は、入社後に企業でのギャップを感じてしまい、再度転職活動をおこなう事態に陥ることがあります。
自己分析では、自身が企業で実現したいことや自身の強み・弱み、どのようなキャリアを築きたいのかなど徹底して分析しましょう。
分析をもとに企業を慎重に検討すれば、入社後のギャップを感じにくくなり、ミスマッチを防げます。
転職回数を気にしない業界へ応募する
転職回数を気にしない業界への応募もおすすめの方法です。
人手不足や実力主義の業界では、転職回数がブランクになることがあまりなく、転職回数の多い方でも安心です。
転職回数を気にしない業界の例は、次のとおりです。
- IT業界
- 医療・福祉業界
- 飲食業界
- 小売業界 など
希望条件を絞りすぎず視野を広げた転職活動をおこなう
大手企業限定や年収は600万円以上、リモートワークなど希望条件は考え出すときりがありませんが、希望条件をすべて満たそうとしないようにしましょう。
希望条件をすべて実現しようとすると、視野が狭まるほか、そもそもマッチする求人が少なく転職できないなどの事態に陥る可能性があります。
そのため、希望条件を絞りすぎず幅広い視野をもと転職活動をおこないましょう。
転職エージェントを活用する
転職を成功させるためには、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントでは、応募企業や業界の実情を教えてくれたり、非公開求人の紹介をしてくれたりとさまざまな恩恵を享受可能です。
企業との条件交渉なども代行してくれるため、より良い転職を実現したい場合におすすめです。
しかし、転職エージェントに頼り切るのではなく、自身の自己分析を徹底したうえで転職活動を進めましょう。
転職回数が多い人は人生終わりに関するよくある質問
転職回数が多い人に関するよくある質問に回答します。
- 転職回数は何回目からが多いですか?
リクナビNEXTの調査によると、転職歴3回目から気になる方が約40%以上と最多になっています。
出典:リクナビNEXT「転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態」
- 転職は最高で何回まで可能ですか?
転職回数に上限はありません。
しかし、あまり頻度が多いと「すぐにやめてしまうのでは」と感じさせてしまい、不利になる可能性があるため、注意が必要です。
- なぜ日本は転職回数を気にするのですか?
日本では終身雇用が一般的であったため、転職回数が多いと長く続くか心配される可能性があります。
転職回数が多くても十分に転職可能
- 転職回数が多くて人生が終わる可能性は、業界や職種により異なる
- キャリアに一貫性がない場合は次の転職活動で不利になる可能性がある
- 転職回数を気にしない業界が多いことや貴重な存在であることから人生が終わる可能性が低い
- 自己分析が足りていない方や上昇志向の方は転職回数が多くなりやすい
- 転職時は、ポジティブな転職理由を伝えることや自己分析を徹底する
転職回数が多いと、次の転職が不利になる理由としては、キャリアの一貫性がないことです。
ただし、キャリアの一貫性がない場合でも過去に学んだ内容や経験をどのようにして活かせるかなどを伝えると、転職できる可能性は十分にあります。
また、転職の目的を明確にせず、転職活動をおこなうと企業とのミスマッチになるケースがあります。
自己分析を徹底し、なぜ転職したいのかポジティブな理由を面接官に伝えましょう。
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